春霞
春の空気が ほら 泣きたい気持ち霞ませていく 仕方なく そっと笑った あたしはぼんやりと ただ後ろ姿見つめている あぁ… 忘れたくないことだらけ 二人だけの甘い時間が 何処からか零れ落ちていたらしい すっかりもう空っぽだわ あなたうわの空 青すぎる空...
夜行特急
真夜中を渡る中央線 遠く静かに鳴り響く 電車の音 …あの人を連れて来てくれないかな 夢におちるこの瞬間と 恋に落ちたあの瞬間と どちらが甘くて美しいのか… まだ迷っているの ねぇ教えて欲しいな 手を伸ばす前から「叶うはずない」決めつけて...
ポニーテール
無造作に束ねた髪を あなたはいつも褒めてくれて ちっとも変わり映えしないあたしを 特別にしてくれたの あなたはそんな魔法を いくつも知っているみたいで 簡単にあたしの心の色を 塗り替えていったの 思い出すたび 口元がゆるむわ 緩やかに零れ落ちるメロディー...
言い訳
君の隣で あたしはいつも 自分の弱さと狡さを 思い知る 変わらず与えてくれる素直な気持ちを いつまで経っても 上手く受け取れない 好きって言葉の意味が 違い過ぎるから 嘘吐くみたいで 何も言えず抱きしめた 行き場を失くして出逢った迷子の二人は...
うたたね
僕の涙は 塩辛いよ 流した一粒 君の指先で乾いていった 素敵な偶然 なんて幸せな夢 暑い日には 風を浴びよう 寒い日には 温め合おうよ どうか ずっと 傍にいて 先を歩いていかないで 夢をみている ずっと夢みている しっぽ揺らして 待ち焦がれている...
Drop
世界は まあるいあめ玉 甘くみたっていいじゃないか 雨が降っても また晴れる なら それも悪くないでしょう? ほんの少し たからものポッケに詰めるみたいに ほんの少し 楽しいこと探しているの ほんの小さな キラキラを食べて生きるの 空が青いから とか あなたが笑うから とか...
弱音
吐きたくても 吐き出せない言葉を ムリヤリ寝かしつけて 今夜も独りになる 二日酔いみたいな目覚めの悪い朝も 朝日に溶かして なんとか生きている "もう疲れた"って言ったら "もうやめたい"って言ったら 『じゃあそうすれば』って言われるのが怖いだけ 別に強くなんてないんです...
I
この世に産まれ堕ちた時 あたしには名前がなかった そんなもの 要らなかった こんな世界に希望など無いのだから あたしがあたしで在る為に あなたは名前をくれた 見失わないように 正しく導けるように 「愛してる」が届くように この街の雑踏の中で あたしに名前は見当たらない...