カルテ

あたしの病の名前を　誰も教えてはくれない

「そもそもお前は、幸福なのだから。」と

知っているよ　それでも　確かに迫る苦しさを

一体どうして　あんたに示せるというの？

理由などない　宛てもない虚しさに形を与えて

呼吸ができるように

カルテを書こう　拙い手で

出来るだけ　色鮮やかに

同じ病を持つ君に　名前をあげる

「君は此処にいるよ。」

病の名前を持たないこんなあたしだから

何事ないかの様に　生きるしかないの

被害者面もできない　不幸を数えても虚しい

ただ振り返らず　進むしかないよ

お薬はどこ？　塩味のキャンディーもう要らない

眠れぬ夜は　いつまで続くの

カルテを書こう　想うままに

でたらめな生き方でもいい

人混みにのまれ泣けぬなら　共に笑おう

「君は此処にいるよ。」

あたしが此処にいるよ